「メタバースのデータ分析とはなにをやっているのか」『急成長ベンチャーデータ人材の「アレ」を語る会』登壇レポート

2023年9月26日に行われた、データアナリストやデータ分析に興味がある方に向けたイベント『10X,ルーデル,cluster|急成長ベンチャーデータ人材の「アレ」を語る会』

tech-track.connpass.com

クラスターからは、データアナリストの今井が登壇し「メタバースのデータ分析とはなにをやっているのか」というタイトルで発表しました。

この記事では、イベントの登壇内容を要約してお伝えします。

今回のイベントの登壇者
今井 裕貴 プラットフォーム事業本部 ソフトウェア開発部 データアナリスト

2022年4月クラスター入社。
データ分析専任のメンバー1人目として参画し、主にデータ分析による意思決定の支援を行いながら、データ可視化ツールの運用や分析基盤の構築など、全社横断のデータ活用促進を広く担当。2022年以前はソーシャルゲームやライブ配信サービスといった領域でデータ分析に従事。

既存の知見を十分に活かせる──メタバースのデータ分析の業務内容

今回は「メタバースでも既存の知見を活かせること」と「まだまだ未知であるメタバースならではの分析をできる魅力」というトピックに分けて、クラスターでのデータアナリストの仕事を紹介します。

メタバースのデータ分析というと、

  • 3D空間なので、データがたくさんありそう
  • そもそも機能が多くてできることが多い
  • 特別なデータ分析が必要そう
  • 特別なデータ基盤とかありそう
  • そもそも何を分析するんだろう

との疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが……
他のtoCサービスで一般的に行っている分析を行うことが多いです。もちろんメタバースならではの分析もあります。

具体的には、よく行う業務として、サービスの運営や開発上必要な事業データの分析・可視化を挙げることができます。ここでの指標は、「アクティブユーザー数」「継続率」「新規ユーザー数」「利用しているプラットフォーム」などです。
なので、メタバースだからといって特別目新しい指標というわけではなく、他の会社でも一般的に使われている馴染みのある指標を対象としています。

もう一つ業務の例を挙げると、クラスターでは様々な施策や機能追加、法人イベントを行ったりしており、それらの効果検証もデータアナリストが担当しています。
クラスターの仕事は、専門的な知識を活用してじっくり分析するというよりも、関係各所とスピード感を持って仕事を進める傾向があります。

これはただ依頼に早く対応するという意味ではなく、意思決定をどんどん素早く行うためにコミュニケーションを活発に行っているという意味です。社内の様々なメンバーと話して、ミニマムでできることから取りかかり、相談しながら業務を進めています。

なので、メタバースだからといって特別な知識がいるわけではなく、既存の知見を十分に活かすことができ、インパクトや意思決定に関わるように積極性を持って業務に取り組むことができます。

内製を含めたクラスターの分析用データ基盤

クラスターの分析用データは、基本的にはBigQueryにデータを溜め込んで活用しています。

元データであるDB、アクセスログ、APIログをBigQueryに格納し、それをLookerやredashといったBIツールで可視化を行ったり、もしくはデータアナリストがBigQueryを直接操作して分析を行っています。

中でも特徴は、分析用データを収集する基盤を内製で作っていることです。内製のデータ基盤によって、データベースだったり各種ログでは取得できない、もしくは取得しにくいようなデータでも、データを取得できるような環境をつくっています。

tech-blog.cluster.mu

未開拓のメタバースならではの分析を切り開いてく面白さ──「ユーザーは高いところが好き」?

ここまでは既存のデータ分析の知見を十分に活かして活躍できるという点にフォーカスしてきましたが、一方で、メタバースならではの分析ができるという点もクラスターでのデータ分析の魅力です。

clusterには「ロビー」と呼ばれる、cluster初心者から長く続けている人まで多くの人が集まるワールドがあります。ロビーの中をユーザーが移動したときの位置情報は、分析にも利用されています。

左:ロビー、右:位置情報を可視化したデータ

右側の画像は、ロビーの中を移動した位置情報を可視化して、エリアごとに色分けしたものです。例えば真ん中の交差点エリアは紫、一番奥の時計台エリアはオレンジに可視化されています。

この位置情報データを使って色々な分析をすることが可能です。
例えば、下記はユーザーがより長く滞在した場所を目立たせた形で可視化したデータです。なぜかやたらと時計台の頂上にユーザーが長く滞在していることが分かります。

時計台には特別に何かがあるわけではありません。それでも長く滞在しているということは、みんなやっぱり高いところに登ったり、景色を眺めるというのが大好きなんだなということです。これは感覚からもなんとなくわかるかもしれませんが、データからも分かるのが面白いです。

こういった3D空間上のデータ分析は、メタバースでの体験をより良くするために使われています。
例えばclusterを始めたばかりで友達がいない方でも、早く友達を作って、出会いやすくなるように位置情報のデータを活用したり、もしくは逆に1日何時間もVRで遊んでいて「VRに住んでいる」と言われるような方たちが、より快適に住めるような環境にするために活用しています。

まとめ

メタバースの分析といっても、一般的な分析を行ってることが多いです。その理由は、シンプルにインパクトや意思決定に繋がるかどうかの観点で業務の優先順位を決めると、clusterも一つのサービスなので、他のサービスと重視する点が変わらないからです。なので、既存のデータ分析の知見を十分に活かすことができます。

そして、3D空間上の様々なデータを使ったメタバースならではの分析も行えるのがクラスターでのデータ分析の面白いところです。メタバースならではの分析はまだまだ開拓中で、今までにない分析やデータ活用に挑戦できるのが魅力だと思います。

メタバースに関するデータはまだ制限が少ないですし、ほとんど誰も専門で分析していないような分野です。どうすれば分析を通して大きなインパクトを出せるかを自分で考えることができますし、実際に挑戦できることは、とても面白くやりがいに繋がっています。

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