tech blog編集担当になって1年目を振り返る

こんにちは。tech blog編集チームのFUKUDAです。

今年の4月頃からクラスター社のtech blogの編集を担当することになりました(普段はclusterで活動するクリエイター向けのメディアを運営しています。そちらも振り返り記事を書いているので、ぜひ!)。今年は月に2本、年間で24本の記事を公開するという目標を一応定めていたのですが、その目標はとりあえず達成できたので一安心です。

さて、クラスター社のブログは去年まではcluster公式noteで運用されていましたが、今年からこのはてなブログの方に移管しました。

この移管と私が関わることになるにあたって、tech blogの運用の仕方の試行をいくつかしました。今回の記事では、その辺りを振り返りつつ、来年の抱負を綴っていきたいと思います。

今年の運用で意識したこと

関わって最初に、編集担当であるFUKUDAがこのブログがどういう目的で運営されるものなのかを言語化しました。その上で、今年は下記の試行をしました。

編集担当になって最初につくったドキュメント

「cluster」の技術の全体像が見えるように

まずは、記事ごとにしっかりとカテゴリを振り分け、サイドバーに表示されるようにしました。

「cluster」はスマートフォン、PC、スタンドアローンVR、PCVRとさまざまなデバイスからアクセスできるサービスです。また、ワールドやイベントを検索するにはWebサイトを使用することもあります。つまり、clusterは多岐に渡る技術に支えられたサービスです。

この事実は、普段サービスを触っていると気づきにくく(自分が扱っているデバイスに注意がいってしまう)、それによって社外で興味を持っている方にclusterで活躍できる分野が幅広くあることに気づいてもらえないことは機会損失ではないかと考えていました。

tech blogをnoteで運用していた際は、記事をカテゴリごとに検索することができませんでした。

なので、はてなブログに移り、カテゴリ欄を設けることができるようになったことで、clusterで扱われる技術の全体像を俯瞰しやすくなりました。また、どの記事が充実しているか可視化された(「組織開発」「働き方」の記事が多いですね)ので、記事企画を考える際にも役立つようになりました。

記事のストックができるように

今年は常にいくつかの記事が同時に執筆中になるように記事を進行しました。

当たり前のことですが、ブログは新しく記事が公開されていかないと読まれる機会が増えることはありません。しかし、基本にして一番難しいのが「記事を継続的に出すこと」です。

一般的なメディアであれば、世の中の事象からネタを探し出してきて、ライターさんに執筆をお願いしたり……という形で記事を制作していくことができます(筆者はもともとは雑誌の編集者でした)。しかし、tech blogは社内で蓄積された技術・組織に関する話題を提供するメディアなので、外の人が書く訳にはいきません。それゆえに、いかに執筆の機会をつくり出していくかが難しいジャンルなのではないかと思います。

もうひとつ一般的なメディアと異なるのは執筆ペースです。

一般的なメディアでは編集担当が厳しく締め切りを管理しますが、Cluster Tech blogでは、基本的に記事を書くペースは各執筆者にお任せしています(お尻を叩いて欲しいという方にはリマインド等しています)。

これは、執筆者が「書きたい」と思った時に書くのが一番内容も良くなると考えているからです。書くことが義務になってしまうと内容の密度にも影響してしまうのではないかと思っています(とはいえ締め切り駆動の方がやりやすいという方もいると思うので悩ましいところです)。

その結果、開発業務の合間など、時間を見つけて執筆していくことになるので、どのくらいの期間で記事が仕上がるかは不安定になってしまいます。

そこで、記事は常にいくつかの記事を同時進行することで、ストックをつくっていくことを意識しました(12月の皆さんが忙しい時期に執筆進行が重なってしまったのは反省です……業務のリズムみたいなものも徐々に掴んでいけると良いのかもしれません)。

こうすることによって、集中して一気に出すのではなく、一定期間を置いて公開できるようになり、「継続的に記事を出すメディア」であるという印象が高まったのではないかと思います。

月1本以上は公開できました

記事のきっかけをつくりにいく

また、記事のネタは勝手に生まれてくるわけではありません。仮にとても興味深い知見があったとしても、何かのきっかけがないと「執筆しよう」という意識にはなかなか繋がりにくいのではないかと思います。
そこで、編集チーム側から記事の執筆を働きかけていく動きも実施しました。

記事ネタ出し会

数ヶ月に一回ほど、開発に関わる方を何名か集めて「記事ネタ出し会」という名のブレストを行いました。
これは編集担当であるFUKUDAが通常業務で開発に関わっているわけではないので、ホットトピックを拾い切れていないという課題感から発案したものです。

毎回「固定メンバー+ゲスト」という形式を取ることで、回ごとに色々なトピックを拾えるように工夫していきました。実際、この会のアイデアから執筆された記事もいくつかあります。

tech-blog.cluster.mu

tech-blog.cluster.mu

tech-blog.cluster.mu

「tech blogネタ帳投稿フォーム」をslackのカスタムレスポンスで出す

記事のネタ出し会は半ば強制的にアイデアを出せるという点で有益でしたが、一方で開催頻度を増やすことが難しいという課題もありました。
そこで、tech blogの潜在的な記事アイデアを掘り起こすためにtech blogの記事アイデアを投稿するフォームURLがSlackのカスタムレスポンスで投稿されるようにしました。

「tech blog」などを打つと出てきます(他の企業のtech blogをslackで共有した時にも出る……)

こちらはまだ開始して間もないことや、能動的に投稿するにはなかなかハードルが高いのか、それほど投稿はありません(とはいえ、ここから記事の執筆に繋がっています)。
より使いやすくなるように改善できないか検討してみる予定です。

tech-blog.cluster.mu

来年やりたいこと

私がもともとは「tech blog」という文化に親しんでいなかったことから、今年は探り探り運営していきました。うまくいったこともありますが、それ以上にそこまでうまく機能していないことの方が多いでしょう。

tech-blog.cluster.mu

meetupに参加して他の企業の活用事例をインプットしたりしました

記事の執筆者のバリエーションを増やす

tech blogの内容が充実していけばいくほど、その企業の「開発文化の厚み」みたいなものが見えてくるのではないかと考えています。それがtech blogの大きな役割のひとつなのだと思います。

最初に述べた通り、クラスター社ではさまざまな技術領域で開発が行われています。ということは、その分だけ記事で触れられるトピックの幅も広いのではないかと思います。

そのためにまずは、社内で「執筆したい!」と思っていただける方が増えていくのが重要になります。来年は、ちょっとでも執筆意欲がある人を編集チーム側で検知したり、執筆しやすいように何ができるかを考えていければと思います。

tech blogの認知度を上げるための地道な活動もする

また、執筆した後にも「執筆して良かった」と思えるような経験ができるようにするのも重要になるでしょう。
執筆いただいた後には、クラスター社の公式Xアカウントでポストしたり、社内で執筆いただいたことを周知したりしています。

執筆したことで嬉しいのは「多くの人に読まれてリアクションがあること」ではないかと思います。
そうしたリアクションを増やすためには、やはりtech blog自体の認知度を高めることが効果的に機能するのではないかと思います。そして、認知度を高めていくためには、先に触れたようにイベントに出て宣伝したり、という地道な活動も必要になってくると考えています。来年は、その辺りにも取り組めたらと思います。

終わりに

以上が今年の振り返りになります。
個人的にはメディア運営は地道な活動が重要になると考えているので、来年もそうした活動はベースにしつつ、さらなる発展を遂げていくためには何をすればいいのか考えていければと思います。
それでは、良いお年を!